【沖縄あるある 湿度シリーズ⑦(最終話)】沖縄の暮らしと湿気を見つめなおす7つの視点

沖縄あるある 住宅事情

〜湿気と共に生きるための、設計・暮らし・マインドの総まとめ〜

沖縄の高温多湿は、“敵”ではなく、“前提条件”です。
建築士として、またひとりの住まい手として──
家と湿気の関係を見つめなおす「7つの視点」をお届けします。


🧊①「密閉=快適」ではない

現代の高気密・高断熱住宅は、まるでスイッチを切った冷蔵庫のよう。
外気は遮断できても、一度こもった湿気や熱が逃げにくい設計になっています。

💡解決策:逃げ道をつくる。
・風が抜けるレイアウト(壁では無く、パーテーションのようなものが最適)
・開口部のバランス設計(窓は小さくするか、深い軒をつける)
「閉じる」だけでなく、「抜ける設計」で家の呼吸を守りましょう。


💨②「換気している“つもり”」が一番危ない

24時間換気をONにしているのに窓が開いている。
これ、実は換気扇の効果をゼロにしてしまう行為なんです。

💡解決策:目的に合わせた“開け閉め”ルールを
・機械換気中は原則、窓は閉める
・風通し目的なら、空気の“流れ”を意識して対角に開ける
「なんとなく開ける」から、「意味をもって開ける」へ。


🌡③「温度差=結露の原因」と心得よ

冷房ガンガンの部屋と、使っていない部屋。
この温度&湿度のギャップが、夏型結露を引き起こします。

💡解決策:室温バランスを整える設計・暮らし
・“全室冷房”が難しくても、ドアは開けて風を通す
・寝室と廊下・隣室の温度差をつくらない
・建具を工夫して“間仕切りつつ抜ける空気”を設計する


🧺④「しまい込む=守る」ではなく「通す=守る」へ

クローゼットや押入れ、きっちり閉めた収納は、湿気にとっては絶好の繁殖空間。
特に布団や衣類の奥にカビが…というのはよくある話。

💡解決策:しまう前に、風を通す習慣を
・朝1時間でも開けておくだけで効果大
・設計では「扉をつけない収納」もひとつの選択肢
  ↓事例 クローゼット扉は使用せず、ロールスクリーンに


🌧⑤「湿気=夏だけ」ではない

梅雨と夏だけを警戒しがちですが、秋冬にも湿害は忍び寄ります。
特に沖縄では、台風後の湿度や、寒暖差による壁内結露も注意。

💡解決策:年中湿度管理。湿度計を“見える場所”に
・「体感」でなく「数値」で管理
・カビや異臭の前兆は、湿度にあり
・季節に応じて除湿器・サーキュレーターを活用

カビは湿度70%を超えると爆発的に増えてきます!
湿度計を各部屋に置き、室内の湿度を70%以下になるように!


🧱⑥「素材を選ぶ=湿度と付き合う覚悟」

ビニールクロスか、塗り壁か。
合板か、無垢材か。
素材によって、湿度との付き合い方は変わります。

💡解決策:見た目だけでなく“呼吸する素材”を選ぶ
・調湿効果のある仕上げ材
・メンテナンス性も考慮した素材選び
・設計段階で、湿度と素材の相性を対話する


🌈⑦「湿気とどう“共存”するか」まで設計する

最終的には、家の設計・建築・使い方すべてが「湿気をどう扱うか」に通じます。

💡解決策:湿度対策を“仕様書”で終わらせない
・プラン打合せ時に「暮らし方の提案」もセットに
・設備任せではなく、“空気の習慣”を一緒に考える
・「建てたら終わり」でなく、「育てていく家」へ


👵リアルうちなーおばさんのひとこと

👵「湿気とケンカせずに付き合うのが、沖縄流さ〜。
設計も、住み方も、両方バランスよくやらんとね〜!」


🌺シリーズを通して伝えたいこと
湿気と暮らすということは、建築と暮らし、両方に向き合うこと。
家の造りのも問題がある時はありますが、
自分の暮らし方・使い方にも目を向けてみませんか?

あなたの家は、今日もちゃんと“呼吸”できていますか?

タイトルとURLをコピーしました