湿害トラブル“誤解あるある”徹底解説!
沖縄の家づくりでは、湿気との戦いが宿命。
けれど、湿気が原因のトラブルが起こったとき──
「これって施工ミスですか?」
「建築士さんの説明が足りなかったのでは?」
…そんな声を耳にすることも、実は少なくありません。
でも、それ本当に“施工不良”なんでしょうか?
今回は、現場でよくある湿害の誤解をひも解きながら、
建築士のホンネも交えてお伝えします。
❌誤解①|「押し入れがカビた!絶対、断熱材が足りないんじゃ…?」
▶︎実は:閉めっぱなし+空気の滞留が原因のことも多い
特に湿気の多い時期に、
・押入れやクローゼットの扉をずっと閉めている
・布団や衣類を詰め込みすぎている
など、空気の流れが止まることで“内部結露”やカビが発生。
📌建築士コメント:
「設計では通気性を考慮していても、物を詰め込みすぎ、ドアはめったに開けないなど“使い方”によって湿気がこもることは多々あります。
見た目を優先して完全に密閉された収納は、湿気リスクとセットで考える必要があります。」
❌誤解②|「サッシのシーリングが黒ずんでる!施工が悪いのでは?」
▶︎実は:サッシ周りは“結露の通り道”になりやすい箇所
冷房で室内が冷え、外気との温度差が大きいと、
サッシの枠やシーリング部に湿気が集中し、黒カビが発生しやすくなります。
📌建築士コメント:
「気密性を高めた家ほど、換気と空気の流れが重要です。
窓下の湿気対策には、除湿や換気方法も見直してもらえると嬉しいです。」
❌誤解③|「クーラー使ってるのに壁がベタベタ!意味ないんじゃ…?」
▶︎実は:“部分冷房”が原因の夏型結露の可能性
リビングは涼しいけど、隣の部屋は蒸し暑い。
その温度差が壁や建材に影響し、目に見えない場所で結露が発生していることも。
📌建築士コメント:
「すべての部屋を均一に冷やすのが難しいなら、ドアを開けて空気を回すだけでも湿度差は緩和できます。」
❌誤解④|「24時間換気なんて意味ある?湿気取れてないんだけど?」
▶︎実は:“窓開けっぱなし”が換気を無効化していることも…
窓と換気扇の両方を開けてしまうと、
換気経路が乱れて正しい空気の流れが保てなくなることもあります。
📌建築士コメント:
「風通しをよくしたいお気持ちはわかりますが、換気は“計画的”に流れることで機能するもの。
設備を信じて、まずは“窓を閉めて換気扇”を意識してみてください。」
換気扇は電気代がもったいないって、消しちゃダメですよ!←これが一番の原因!

皆さん↑わかります?
これ24H換気の吸気口です。
トイレやお風呂場などの換気扇と密接な関係があるので基本閉めちゃダメです!
台風など風の強い日は水が逆流してくるので閉めてください。
あと、家中の換気扇は台風時は付けちゃダメです。
❌誤解⑤|「床がふくらんできた!絶対、施工ミス…!」
▶︎実は:室内の湿気滞留による床材の膨張が原因のことも
湿度が高い状態が続くと、無垢材や合板は水分を吸収し、浮きやひび割れが発生します。
📌建築士コメント:
「施工精度だけではコントロールできないのが“湿度”というやっかいな相手。
床下通気や除湿対策と併せて、“室内湿度”の管理がとても大切です。」
🌿まとめ|“湿害トラブル”は、誤解と習慣のすれ違いから生まれる
もちろん施工側にも改善点がある場合もありますが、
「設備がある=湿気を防げる」ではないのが難しいところ。
家を快適に保つためには、
建築士・工務店と住まい手が「一緒に守る」意識が欠かせません。
📢次回予告!
📚**【湿度シリーズ⑦(最終話)】**
沖縄の暮らしと湿気を見つめなおす7つの視点
湿気と共に生きるための、設計・暮らし・マインドの総まとめ編!
お楽しみに!