【シーサー】第二話:口の形に秘密あり!シーサーの「あ・うん」の法則

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前回、シーサーがどのようにして沖縄に伝わり、村の守り神になったかをお話ししました。今回は、家を守る**「家獅子(いえじし)」**として広く普及したシーサーの、雄雌の見分け方と、その置き方に隠された秘密に迫ります。

雄雌の見分け方と「あ・うん」の意味

シーサーは、二体が対で置かれることが多く、これには**雄(オス)雌(メス)**の役割があると言われています。

役割口の形意味置き場所(正面から見て)
雄(オス)口を開けている(あ)災いや悪霊を追い払う(家に入れない)向かって右側
雌(メス)口を閉じている(うん)幸せや福を逃がさない(家の中に留める)向かって左側

この「あ」と「うん」の組み合わせは、狛犬仁王像と同じく、物事の始まりから終わりを表す縁起の良い対と考えられています。シーサーは、ただ魔物を追い払うだけでなく、しっかりと福を家の中に留めてくれる、優しい守り神なのです。

なぜ、屋根の上にいるのか?

シーサーが庶民の屋根の上に置かれるようになったのは、明治時代以降、赤瓦の使用が解禁されてからのことです。

瓦職人が、瓦葺き工事の際に余った瓦や漆喰を使って、お礼としてシーサーを作り、屋根に飾ったのが始まりと言われています。このため、屋根の上のシーサーは、素焼きの**やちむん(焼き物)漆喰(しっくい)**で作られたものが多く、一体だけで置かれることもよくあります。

まとめ

口を開けたシーサーは「追い払い」、口を閉じたシーサーは「留める」という、見事な役割分担をして、私たちの家と家族を守ってくれていますね。街で見かけるシーサーがどちらの役割をしているのか、ぜひ観察してみてください。


次回・第三話(最終話)は、シーサーとヒンプン、石敢當の関係を通して、**「沖縄の家を守る知恵の連携」**についてお話しします。

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