沖縄あるある 住宅事情 スケブロ
前回、シーサーがどのようにして沖縄に伝わり、村の守り神になったかをお話ししました。今回は、家を守る**「家獅子(いえじし)」**として広く普及したシーサーの、雄雌の見分け方と、その置き方に隠された秘密に迫ります。
雄雌の見分け方と「あ・うん」の意味
シーサーは、二体が対で置かれることが多く、これには**雄(オス)と雌(メス)**の役割があると言われています。
役割 | 口の形 | 意味 | 置き場所(正面から見て) |
雄(オス) | 口を開けている(あ) | 災いや悪霊を追い払う(家に入れない) | 向かって右側 |
雌(メス) | 口を閉じている(うん) | 幸せや福を逃がさない(家の中に留める) | 向かって左側 |
この「あ」と「うん」の組み合わせは、狛犬や仁王像と同じく、物事の始まりから終わりを表す縁起の良い対と考えられています。シーサーは、ただ魔物を追い払うだけでなく、しっかりと福を家の中に留めてくれる、優しい守り神なのです。
なぜ、屋根の上にいるのか?
シーサーが庶民の屋根の上に置かれるようになったのは、明治時代以降、赤瓦の使用が解禁されてからのことです。
瓦職人が、瓦葺き工事の際に余った瓦や漆喰を使って、お礼としてシーサーを作り、屋根に飾ったのが始まりと言われています。このため、屋根の上のシーサーは、素焼きの**やちむん(焼き物)や漆喰(しっくい)**で作られたものが多く、一体だけで置かれることもよくあります。
まとめ
口を開けたシーサーは「追い払い」、口を閉じたシーサーは「留める」という、見事な役割分担をして、私たちの家と家族を守ってくれていますね。街で見かけるシーサーがどちらの役割をしているのか、ぜひ観察してみてください。
次回・第三話(最終話)は、シーサーとヒンプン、石敢當の関係を通して、**「沖縄の家を守る知恵の連携」**についてお話しします。