沖縄あるある 住宅事情 スケブロ
👩 オカー: 「昔のヒンプンはわかったけど、今のRC住宅の玄関前にある壁も、やっぱりマジムン除けなの?」
👷 専門家: 「昔ながらのヒンプンは姿を変えましたが、その知恵は現代にもしっかり受け継がれていますよ。今日は、今の家でのヒンプンの役割についてお話しします。」
姿を変えた「現代のヒンプン」
伝統的な木造の古民家では、ヒンプンは屋敷のほぼ中央に立つ独立した壁でした。しかし、現代のRC住宅では、敷地の制約やデザインの変化により、その形は変わっています。
今の住宅で見られる**「ヒンプンの知恵」**は、主に二つの機能的な壁に活かされています。
1. 独立した「目隠しウォール」
現代のヒンプンとして最も分かりやすいのが、門や玄関アプローチから少し離れて立つ独立したデザインウォールです。
- 役割: 昔と同じく、道路からの視線を完全に遮るプライバシー保護の役割を果たします。来客が玄関ドアを開けても、リビングなどの内部が丸見えになるのを防ぎます。
- 素材: コンクリートや花ブロック、時には植栽と組み合わせて、デザイン性の高い壁として活用されています。
2. 玄関を包み込む「袖壁(そでかべ)」
もう一つは、玄関ポーチやドアの横に設置された袖壁です。
- 役割: 悪霊マジムンの直進を防ぐだけでなく、台風時の横殴りの雨風が玄関ドアに直接吹き付けるのを軽減する機能的な役割を果たします。さらに、家の中に入ろうとする風を優しく受け流し、風速を弱める効果もあります。
- 工夫: 玄関ドアの向きをあえて道路に対して斜めにずらすことで、ヒンプンの「直進を避ける」という知恵を応用している設計も多く見られます。
伝統が教えてくれる現代の家づくり
👨🦱 お父さん: 「ただのデザインだと思ってたけど、昔の人の知恵だったんだねぇ。」
現代のRC住宅において、ヒンプンは**「マジムン除け」という文化的な意味合いだけでなく、「台風対策」「プライバシー保護」「風のコントロール」**という、実用的な知恵として受け継がれています。
家を建てる際やリフォームを考える際には、ヒンプンの知恵を取り入れて、外部からの**「視線(人)」と「風(自然)」、そして「悪霊(文化)」**の三つの脅威から家族を守る工夫をしてみてはいかがでしょうか。
次回 第三話:門前で生まれる「光と影」の芸術 をお楽しみに。