【沖縄RC住宅に潜む“宿命”】第1話|鉄筋爆裂とは?

沖縄の住宅といえば「台風に強いコンクリート造」。観光客からすれば「頑丈で安心そう」と映りますが、住んでいる私たちにとっては“あるある”な悩みがあります。その代表格が 鉄筋爆裂(てっきんばくれつ) です。


鉄筋爆裂って何?

👵 住民:「あら、またコンクリートがポロポロ落ちてきてるさ〜」
👷 建築士:「それ、“鉄筋爆裂”かもしれませんね」

鉄筋爆裂とは、コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、周囲のコンクリートを押し出してひび割れや剥落を起こす現象です。沖縄では特に海風に含まれる塩分が原因となり、築20〜30年を過ぎると目に見えて増えてきます。


なぜ沖縄で多いのか?

👵 住民:「なんで沖縄だけ、こんなに多いの?」
👷 建築士:「主に“塩害”が原因ですね」

  1. 塩害:海風が常に塩分を運び、コンクリートに浸透して鉄筋を錆びさせます。
  2. 高湿度:湿度の高い気候が鉄筋の劣化を加速。
  3. 施工当時の技術差:昔の住宅では、鉄筋を守るコンクリートの厚みが薄い場合もあり、劣化が早く進むケースがあります。

放置するとどうなる?

👵 住民:「ちょっとぐらいなら見た目の問題よね?」
👷 建築士:「実は、それが危険なんです」

最初は小さなヒビでも、放置するとコンクリート片が剥落。軒裏やベランダから落ちれば、人や車に当たる危険性があります。さらに進行すれば、構造耐力にも影響が及ぶことも。


どう対策する?

  • ひび割れは早めに補修(エポキシ樹脂やモルタル補修)
  • 鉄筋が露出していたら錆止め処理をしてから再被覆
  • 定期的な点検で劣化範囲を把握
  • 劣化が広範囲の場合は、専門業者に依頼して本格的な補修

まとめ

👵 住民:「やっぱり“ほっとく”のはダメなんだね」
👷 建築士:「そうですね。鉄筋爆裂は“沖縄コンクリート住宅の宿命”。でも早く見つけて手を打てば、長く安心して暮らせますよ」

鉄筋爆裂は完全に避けられない現象ですが、早期発見と補修で安全を守ることができます。
「またヒビが…」「鉄筋が見えてきた…」──それはただの“見た目”の問題ではなく、住まいが出しているSOSサインかもしれません。


👉 次回は「塩害でサビる外部金物と室外機」を取り上げます。

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