【シーサー】第三話:シーサーが見つめる先にある「沖縄の安全設計」

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前回までで、シーサーの歴史と「あ・うん」の役割についてお話ししました。この最終話では、シーサーを始めとする沖縄の守り神たちが、いかに**沖縄独自の「安全設計」**を形作ってきたのかを解説します。


シーサー、石敢當、ヒンプンの「知恵の連携」

沖縄の家は、シーサー、石敢當(いしがんとう)ヒンプンという、三種類の守り神が、それぞれ異なる役割を持って家を守っています。これらは単体ではなく、**「悪霊マジムンはまっすぐしか進めない」**という一つのルールに基づき、巧妙に連携しているんです。

守り神設置場所役割機能
石敢當T字路の突き当たり直進阻止悪霊を跳ね返す**「盾」**。
ヒンプン敷地入口の手前進路変更と目隠し悪霊の直進を防ぎつつ、風や視線を和らげる**「緩衝壁」**。
シーサー屋根や門柱守護と招福悪霊を追い払い、家に入ってきた福を留める**「見張り番」**。

これらの守り神は、**道の突き当たり(石敢當)から玄関の前(ヒンプン)まで、何重にもバリアを張って家を守る、昔ながらの「安全セキュリティシステム」**なのです。


シーサーに込められた「沖縄らしさ」

現代でも、シーサーは単なる魔除けから離れ、より**沖縄らしい「お守り」**へと進化を遂げています。

  • ユーモラスな表情: 厳しいライオンの姿から、どこか愛嬌があり、コミカルな表情を持つものが増えました。これは、**「災いは笑って追い払う」**という、沖縄のおおらかさや、家族の幸福を願う人々の思いが込められた結果です。
  • 多彩な素材: 漆喰、やちむん(焼き物)、琉球ガラスなど、沖縄の素材を使って作られるようになり、単なる魔除け以上の芸術品としての価値も持っています。

まとめ

👷 専門家: 「シーサーは、長きにわたり、沖縄の家が自然や見えない脅威と共存するために生み出した、知恵の結晶です。その姿の奥には、家族の安全と幸福を願う、沖縄の人々の強い思いが込められています。」

これで、「シーサー」シリーズは最終回となります。

今後も、沖縄の家づくりに役立つ情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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