沖縄あるある 住宅事情 スケブロ
花ブロックには、実に様々なデザインがあります。丸や四角、ひし形、そして植物の葉っぱのような模様。街を歩けば、同じ家でも塀と玄関で違うデザインが使われていたりして、まるでアート作品のようです。
しかし、これらの美しい模様は、ただおしゃれなだけではありません。一つ一つのデザインに、沖縄の人々が家づくりに込めた、大切な**「3つの願い」**が隠されているのです。
願い1:風を「うまく」取り込みたい
沖縄の住宅に風を通すことは、暮らしの快適さにおいて最も重要なことです。
花ブロックは、単に穴が開いているだけではなく、それぞれの模様が風をうまくコントロールするように設計されています。
- 風を優しく通す模様: 比較的穴が大きく、風をたくさん通すデザインは、風通しを重視する場所に多く使われます。
- 風をいなす模様: 複雑な形状の模様は、台風の強い風を柔らかく受け流す役割も果たします。
これらは、昔の人が風の流れを経験的に理解していたからこそ生まれた、知恵の結晶と言えます。
願い2:光を「柔らかく」取り込みたい
沖縄の太陽は、本土とは比べ物にならないほど強く、直接家の中に入れるとまぶしく、部屋が暑くなってしまいます。
花ブロックは、この強い日差しを遮りながら、家の中に優しい光を届けてくれます。ブロックの穴から差し込む光は、床や壁に美しい模様を描き、時間とともにその表情を変えていきます。まるで自然が作り出すアートのようです。
願い3:家を「こっそり」守りたい
プライバシーを守ることも、大切な願いの一つです。
花ブロックは、外からの視線を遮りつつ、完全に家を閉ざすことはしません。向こう側は見えませんが、風や光は通すので、家の中にいながら外の気配を感じることができます。これは、伝統的な古民家の**「開かれた暮らし」**の考え方が、現代にも受け継がれていることを示しています。
まとめ
花ブロックは、沖縄の気候と文化が生んだ、奇跡的な建材です。その一つ一つの模様には、風や光をコントロールし、プライバシーを守るという、人々の暮らしをより豊かにするための願いが込められています。
次回は、花ブロックの意外な使い方についてお話しします。