沖縄のRC住宅といえば、平らな屋上。
観光客からは「屋上でバーベキューできるなんて最高!」と羨ましがられる一方、住民にとってはまさに沖縄あるあるな悩みのタネ。
👵 住民:「梅雨のたびに屋上がプールになるわけよ…」
👷 建築士:「それ、放置すると大変なことになります」
屋上防水の宿命
RC住宅の屋上は、コンクリートを打ちっぱなしにしただけでは雨水を通してしまうため、防水処理が必須です。
しかし──
- 強烈な紫外線
- 台風の塩害や飛来物
- 高温多湿による劣化
これら沖縄特有の気候が重なり、防水層の劣化スピードは本土より早いのが実情。
プール化のメカニズム
👨👩👧 観光客:「雨が降ってもすぐに流れるんじゃないの?」
👷 建築士:「ところが勾配不足や排水口の詰まりで、水が溜まるんです」
- 勾配がほとんどないため水はけが悪い
- 落ち葉や砂でドレン(排水口)が詰まる
- 防水層の浮きや剥がれから浸水
こうして、屋上が巨大な水槽状態になり、雨が止んだ後も水がしつこく溜まり続けます。
放置するとどうなる?
屋上に水が溜まると──
- コンクリートに水分が浸透し、鉄筋の腐食が加速
- 天井の雨染みやポタポタ漏水へ直結
- 防水層が剥離して修繕費が数百万円単位に
👵 住民:「うちはバケツで受けてるから大丈夫!」
👷 建築士:「バケツじゃ追いつきませんよ」
一度コンクリート内に水が入って鉄筋を錆びさせてしまうと劣化を止めることはできません・・・
住民ができる対策
- 年1回の屋上点検:排水口の詰まりや防水層の浮きをチェック
- 定期的なトップコート塗り替え:防水層を紫外線から守る
- 水溜まりを見つけたら早めの補修
防水は“見えにくいけど命綱”の部分。こまめな手入れで寿命を延ばすことができます。

塗装面を触って手に白い粉が付く時は、劣化のサイン!!!
この様になったら塗り直しをおすすめします!!!!
まとめ
「屋上でビールを飲むのが夢」という声が多い沖縄のRC住宅。
しかし、その夢の舞台が“プール”に変わるのは、決して珍しいことではありません。
屋上防水は“沖縄RC住宅の宿命”との付き合い方の要。
楽しむためには、まず守ることが欠かせません。
👉 次回・第5話は「塩害とサビ──潮風が招く鉄筋コンクリートの敵」をお届けします。