【台風と住宅】第21話「古いRC住宅のひび割れは危ない?」

👵「うちの壁、ちょっとひび入ってるけど、昔からあるから大丈夫よね?」
👷‍♂️建築士:「それ、放っておくと台風で被害が広がるかもしれませんよ」

沖縄の古いRC住宅(鉄筋コンクリート造)では、外壁や梁、柱にひび割れが見られることがあります。
「見た目だけの問題」と思われがちですが、台風時には思わぬリスクになることも──。

今回は、古いRC住宅のひび割れが台風時にどんな危険を生むのか、建築士の視点から解説します。


✅ ひび割れが台風時に危険な理由

  1. 雨水の侵入
    • ひび割れから吹き付ける雨が内部に侵入し、鉄筋を錆びさせます。
    • 錆びた鉄筋は膨張してコンクリートを押し割り、さらにひびが広がる悪循環。
  2. 風圧による劣化促進
    • 台風の強風で外壁がわずかに動くと、ひびが広がったり奥まで達することもあります。
    • 防水層が弱っていると、雨漏りが一気に進行。
  3. 剥落(はくらく)による危険
    • 外壁のモルタルやタイルが台風時に剥がれ、飛散物となって周囲に被害を与える恐れがあります。

✅ ひび割れの種類と危険度

  • ヘアクラック(0.3mm以下)
    表面だけの細いひび。すぐに構造危険はないが、放置で雨水侵入の可能性あり。
  • 構造クラック(0.5mm以上)
    鉄筋まで達する深いひび。構造耐力の低下や剥落のリスク大。
  • 爆裂(鉄筋の錆によるコンクリート剥がれ)
    進行性が高く、早急な補修が必要。

✅ 台風前にできる点検・対策

  1. ひび割れの幅と長さを記録
    • 写真やメジャーで定期的に記録し、進行を把握。
  2. シーリングや防水塗装の補修
    • ヘアクラックは表面の防水で進行を防げることも。
  3. 構造クラックは専門家へ
    • 0.5mm以上のひび割れや爆裂は、必ず建築士や施工業者の調査を受ける。
  4. 剥落防止
    • 浮いているモルタルやタイルは、台風前に撤去・補修。

✍️ まとめ
古いRC住宅のひび割れは、台風時に「雨漏り」「鉄筋の劣化」「外壁の剥落」といった被害を招く引き金になります。
「昔からあるから大丈夫」ではなく、台風シーズン前に一度点検を。
安全な住まいを守るには、早めの補修と日頃の記録がカギです。

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