【台風と住宅】第20話「RC住宅でも雨漏りする?」

沖縄あるある 住宅事情

👨「鉄筋コンクリート(RC)なら台風でも雨漏りしないでしょ?」
👷‍♂️建築士:「実は、“RCだから安心”とは限らないんです」

沖縄で圧倒的に多いRC住宅。
耐風性・耐久性に優れ、木造よりも“頑丈”なイメージがありますが、意外と多いのが“雨漏り”のトラブル

「台風で雨が壁の中にしみ込んできた」「天井からポタポタ垂れてきた」…
その原因、多くは**“防水と仕上げの問題”**にあります。


✅ なぜRCでも雨漏りするの?

① コンクリートは“完全防水”ではない

→ 実はコンクリートも水を吸う
→ 微細なクラック(ひび割れ)やピンホールから水がじわじわ侵入
→ 特に台風時は横殴りの雨+強風圧で浸透が加速


② 防水処理の劣化 or 不足

→ 屋上やバルコニーの防水塗装の寿命は10〜15年程度
→ 劣化したままだと、台風で一気に“限界突破”
→ 塗膜防水・シート防水などの施工不良や劣化が原因になることも

👵「築15年、最初は大丈夫だったのに、台風のときだけ雨がポタポタして…」


③ 取り合い部分の“雨仕舞い”不良

→ 壁と屋根の境目、配管の立ち上がり、サッシまわりなど
→ コーキング切れや処理ミスで、“ピンポイント侵入”が発生
→ 外からは見えにくく、発見が遅れやすい


✅ 建築士がすすめる雨漏り対策

✔ 1. 防水層の定期点検

→ 屋上・バルコニー・陸屋根の防水層は10年でチェック
→ 早めの再施工 or 補修で雨漏りを未然に防ぐ


✔ 2. クラック・ひび割れの補修

→ コンクリートの髪の毛ほどのひび割れでも要注意
→ 専用シーラーやエポキシ樹脂で早期補修を


✔ 3. 雨仕舞い部の定期チェック

→ サッシまわり・エアコン配管・電気配線まわりのコーキング確認
→ 端部に“水の出口”があるか?水が溜まらない構造か?

👷‍♂️建築士:「雨漏りは、建物の“設計と施工のすき間”に入り込んできます」


✍️まとめ

RC住宅は台風に強い。
でも、それは“構造”の話。雨漏りは“仕上げ”と“メンテナンス”の話です。

☑ コンクリートも水を吸う
☑ 防水層の寿命に注意
☑ 雨仕舞いは“技術力”で決まる

“RC=無敵”という思い込みが、雨漏りトラブルを招く原因に。
台風のたびに、建物の“見えない部分”も見直してみましょう。


📝次回予告

【台風と住宅】第21話「古いRC住宅のひび割れは危ない?」
ただの経年劣化?それとも構造に関わる重要サイン?
建築士が教える“ひび割れの見分け方”。

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