👨「去年の台風、隣の家のカーポートがうちの庭まで飛んできて…」
👷♂️建築士:「実は“あの設置方法”が一番危ないんです」
沖縄では毎年のように、台風によるカーポートの破損・飛散被害が報告されます。
中には、屋根材が数十メートル飛んで車を傷つける・人に当たるなど深刻な事例も。
今回は、「なぜ飛ぶのか?どうすれば飛ばないのか?」を建築士目線で解説します。
✅ カーポートが飛ぶ3つの理由
① 片側支持タイプで“風に弱い構造”
→ 柱が片側しかない「片持ち式」は見た目スッキリだが、風圧を受けると不安定に
→ 屋根の面積が広く、“風を受ける帆”になりやすい
② アンカー不足・浅い基礎
→ 既存コンクリートにケミカルアンカー止めだけの簡易施工が多い
→ 台風の強風で基礎ごと引き抜かれる危険性も
→ 特に築年数の古い住宅や、DIY施工は注意!
③ 屋根材が軽くて外れやすい
→ ポリカーボネートの屋根材は軽量・安価で人気
→ しかし固定が甘いと一枚ごと“飛び道具”化
→ ネジや押さえ金具が錆びて外れるケースも多数
👵「台風のたびに屋根材が一枚ずつ減ってくのよ〜」
✅ 建築士がすすめる“飛ばない設置”のコツ
✔ 1. 両側支持タイプにする
→ 柱が左右にある方が安定性◎
→ 美観より“構造優先”が鉄則!
✔ 2. 独立基礎 or 鉄筋コンクリート打設
→ カーポートの柱はコンクリート基礎にしっかり埋め込む
→ ベース付きアンカーだけでは不十分なことも
✔ 3. 屋根材の固定を強化
→ ステンレスビス・補強バー・押さえ金具で風対策
→ DIYでも最低限、ネジ類の増し締め&防錆処理を
✅ 台風前にやっておくこと
- 屋根材に割れや緩みがないかチェック
- 柱のグラつき・基礎部のひび割れ確認
- ポリバケツや植木鉢など周辺の“飛びやすい物”は屋内に避難
- 古いカーポートは“あえて解体”も選択肢
👷♂️建築士:「“壊れない”ではなく、“壊れても飛ばない”が理想です」
✍️まとめ
台風に強い家をつくっても、カーポートからの飛来物で被害が出ることも。
☑ 支持柱は両側で安定性UP
☑ 屋根材の固定は最重要
☑ 基礎は簡易アンカーに頼らない
「軽いから飛びやすい」は、建築でも一番の落とし穴。
“台風の風をなめない”設計と施工が命を守ります。
📝次回予告
【台風と住宅】第20話「鉄筋コンクリートでも雨漏りする?」
“RC住宅=安心”は本当?雨仕舞いで差がつく建築のリアルとは。