👵「あれはね、うちなんちゅの“台風儀式”さ〜」
👨「でも…なんでバケツをひっくり返すの?」
沖縄では、台風前になるとバケツ・プランター・洗面器が“逆さま”になって並ぶ光景が当たり前。
誰に教わったわけでもないのに、なぜかみんなやっている──
今回は、この“逆さバケツ文化”の謎と、本当に安全なバケツ対策を建築士の視点から解説します。
✅ なぜ、ひっくり返すの?
理由はとてもシンプル。
**「風で飛ばされないようにするため」**です。
よくある対策として、
- バケツの中に水をためる
- 上にブロックを置いて押さえる
などがありますが、実はどちらも台風級の風には不十分です。
👷♂️建築士:「“重くすれば安心”と思いがちですが、台風の風はそれを軽く上回ります。 倒れて水が抜けた時点で、普通に飛びます。」
✅ 台風前の“バケツ対策”3つの心得
🏠 その1|基本は「外に置かない」
- 最も安全なのは、屋内にしまうこと。
- 外に置く場合でも、風の通り道を避け、安全な位置に移動させましょう。
- 「飛ばない」よりも、「最初から出さない」という発想が大事です。
💧その2|“水をためる”は過信NG
- ポリバケツに水をためても、倒れれば中の水がこぼれて軽くなり、飛んでいきます。
- 一時的に重くすることに意味がないとは言いませんが、確実に安全とは言えないのが実情です。
- 「水で重し」は最終手段程度にとどめましょう。
🧱その3|“ブロックで押さえる”のは慎重に
- ブロックで上から押さえても、強風では意味がないどころか、危険な飛翔物になるリスクも。
- また、ベランダなどで排水口付近に置くと、水はけが悪くなり冠水の原因にもなります。
- “押さえる”より“片付ける”方が安全です。
👷♂️建築士:「“風を防ぐ”のではなく、“風に逆らわない”ように工夫することが大切なんです」
✍️まとめ
「逆さバケツ」は、沖縄で代々受け継がれてきた生活の知恵。
でもそれだけでは、安全を守りきれない時代になっています。
✔ バケツは出さない(しまう)
✔ 出すなら慎重に配置と安全を確認
✔ 重さやブロックだけに頼らない
身近なものこそ、正しく扱う。
それが、台風被害を最小限に抑える、第一歩です。
📝次回予告
【台風と住宅】第13話「ルーバー窓の落とし穴」
雨の日でも換気できて便利だけど、台風時は逆に危険?
“開けっぱなし”が命取りになるルーバー窓の注意点を解説します。