👨「明るくて風通しのいい家にしたいので、窓を多めにしたいです!」
👷♂️建築士:「実は、“数”より“どこに開けるか”の方が大事なんですよ」
沖縄の家づくりでよくある誤解が「窓は多いほど快適」という思い込み。
実際には、窓の位置と形が風通しと快適性を左右します。
今回は、うちなー建築士が語る「本当に風が通る窓のつくり方」を解説します。
✅ 多すぎる窓は、むしろ逆効果!?
- 西面に大きな窓 → 午後の暑さ&台風時の危険UP
- 隣家との距離が近い場所 → 実は風が来ない
- 家具でふさがる場所 → 開けても意味がない
- 掃き出し窓各部屋につける→窓側に物が置けない。隣地から視線が気になるためめったにカーテン開けない→暗い→風の通り皆無→台風の飛来物には弱い・建物が穴だらけになり構造が弱くなる。
👷♂️「“開けられるけど開けない窓”がいちばんもったいないです」
🏠「開口部」のメリットと見えにくいデメリット
窓や玄関、勝手口、換気口──
これらの“開口部”は、明るさや風通し、暮らしやすさのために欠かせない存在です。
でも、実は構造や断熱性能の観点から見ると、建物にとっては“弱点”にもなりうるのです。
❗開口部の“デメリット”とは?
✅ 構造的に弱くなる
開口部(特に大きな窓)は、建物の「壁」の役割を削ってつくるもの。
つまりその分、地震や台風に対する**“耐力”が落ちやすくなる**ため、補強設計が必要になります。
✅ 熱の出入りが激しくなる
外壁や屋根にはしっかりと断熱材が入っていますが、
窓や玄関には限界があります。
とくに夏の暑さ・冬の冷え込みは、ほとんどが“窓”から入ってくるのです。
✅ 気密性が下がりやすい
窓や開口部が多いと、どうしてもすき間風や湿気の侵入が起きやすい。
これは冷暖房効率の悪化にも直結します。
👷♂️建築士の視点では…
「窓を増やす=快適になる」と考えがちですが、
実際は**“どこに、どんな大きさで設けるか”**の方が、はるかに重要です。
- 暑さを避けながら光を採る「高窓」
- プライバシーを守りながら風を通す「縦すべり窓」
- 窓を小さくしつつ明るさを確保する「反射・採光の工夫」
など、設計次第で**“少ない開口でも快適な住まい”**を実現することができます。
開口部は「快適な暮らし」をつくる入口でもあり、
同時に「住宅の性能」を左右する繊細な部分でもあります。
だからこそ、家づくりでは見た目や数ではなく、“意味のある開口”を計画することが大切なのです。
✅ 建築士が考える「風が抜ける窓の法則」
① 出口と入口のセット設計
対角線上に2つの窓を配置すると、風がスムーズに抜けます。
高窓+低窓など高さ差を使うのも効果的。
② 実際の暮らしに合わせた位置
- よく過ごすリビングに風を通す
- 棚や冷蔵庫でふさがない場所に設置
③ 沖縄らしい“工夫された窓”も活用
- 高窓で光だけ取り入れて視線カット
- 庇や袖壁で直射日光と台風風をカット
👷♂️「“ただ明るくて風が入る”じゃなく、**“暮らしにフィットする窓”**が本当の正解です」
✍️まとめ
「窓は多い方がいい」は、台風の多い沖縄では通用しません。
むしろ数より「どう風を通すか」「どう遮るか」が大事。
☑ 台風に強く
☑ 暑さに負けず
☑ 快適な通風ができる
そんな家をつくるためには、建築士との“風の設計”が欠かせません。
📝次回予告
【台風と住宅】第10話「雨戸がない家は危険?現代の防風対策」
最近の家は雨戸がない?じゃあどう守る?
最新の“雨戸レス設計”と台風対策の工夫を紹介します。