【台風と住宅】第8話「網入りガラスなら割れない?その神話、再点検」

沖縄あるある 住宅事情

👩「網入りガラスだから大丈夫でしょ?」
👷‍♂️建築士:「実はそれ、半分正解・半分危険です」

沖縄の台風対策といえば、
窓に**網入りガラス(ワイヤー入りガラス)**を使っておけば安心──そう思っている方、多いのではないでしょうか?

でも、実際のところは…
「網入りなら割れない」はちょっとした誤解なんです。


🧱網入りガラスとは?

  • 強化ガラスではなく、“普通のガラスの中に金属ワイヤーが入っているもの”
  • 元々は**防火用(延焼防止)**として使用されることが多い
  • 沖縄では台風による飛来物対策として採用されることも多い

👷‍♂️建築士:「“割れにくい”のではなく、“割れても飛び散らない”という設計です」


⚠️でも…網入り=割れない、は間違い!

❌ 誤解①:飛来物に強い

→ 網入りでも、石・瓦・木片などの飛来物が直撃すれば普通に割れます

❌ 誤解②:飛び散らないから安全

→ ガラス片は飛び散らなくても、窓としての機能は失われる
ガラスが割れて雨風が室内に吹き込むリスクは変わらない

👵おばぁ:「昔、瓦が当たってヒビ入ったけど、割れないと思ってたさ〜。翌日びしょびしょだったよ〜」


🔥さらに…「熱割れ」のリスクも!

沖縄の強い日差し+室内外の温度差により、
網入りガラスは熱で“パキッ”とヒビが入ることがあります。

これを「熱割れ」と言い、実はこれが意外と多い故障原因なんです。

  • 網が熱を吸収 → 局所的に熱がこもる → 膨張差でヒビ
  • 特に遮光カーテン・家具が密着してると割れやすい

👷‍♂️建築士:「“風がなくても割れる窓”って、意外と知られてません」


🛠建築士的アドバイス|安全な窓を選ぶには?

✅ 飛来物対策に強いのは「合わせガラス(=防犯ガラス)」

→ 2枚のガラスの間に強靭な中間膜を挟んだ構造
→ 割れにくく、割れてもバラバラになりにくい

✅ 網入りは“防火地域”で必要なことも。用途を確認して使う

→ 火災延焼防止用としてならOK
→ 台風用として選ぶなら用途に注意

✅ 熱割れリスクを減らすには?

✔ 窓際に家具・遮光カーテンを密着させない
✔ ガラス面に直射日光が当たらない工夫(庇・ルーバー)


✍️まとめ

「網入りガラス=台風に強い」は、
残念ながら“思い込み”に近いかもしれません。

本当に大事なのは、
どんなリスクに備えたいのかを明確にすること。

☑ 飛来物が怖い → 合わせガラス+シャッター
☑ 延焼対策が必要 → 網入りガラス
☑ 熱や湿気が心配 → 窓配置や日射制御で調整

そのうえで、設計士と一緒に**“その家に合う窓”**を考えることが、
沖縄の台風住宅には欠かせない視点です。


📝次回予告

【台風と住宅】第9話「窓は“数”じゃない。どこにどう開けるかがすべて」
沖縄住宅で重要なのは“開口部の配置”。
見た目よりも大切な「風の道」と「暮らしの流れ」を解説します!

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