👩「網入りガラスだから大丈夫でしょ?」
👷♂️建築士:「実はそれ、半分正解・半分危険です」
沖縄の台風対策といえば、
窓に**網入りガラス(ワイヤー入りガラス)**を使っておけば安心──そう思っている方、多いのではないでしょうか?
でも、実際のところは…
「網入りなら割れない」はちょっとした誤解なんです。
🧱網入りガラスとは?
- 強化ガラスではなく、“普通のガラスの中に金属ワイヤーが入っているもの”
- 元々は**防火用(延焼防止)**として使用されることが多い
- 沖縄では台風による飛来物対策として採用されることも多い
👷♂️建築士:「“割れにくい”のではなく、“割れても飛び散らない”という設計です」
⚠️でも…網入り=割れない、は間違い!
❌ 誤解①:飛来物に強い
→ 網入りでも、石・瓦・木片などの飛来物が直撃すれば普通に割れます
❌ 誤解②:飛び散らないから安全
→ ガラス片は飛び散らなくても、窓としての機能は失われる
→ ガラスが割れて雨風が室内に吹き込むリスクは変わらない
👵おばぁ:「昔、瓦が当たってヒビ入ったけど、割れないと思ってたさ〜。翌日びしょびしょだったよ〜」
🔥さらに…「熱割れ」のリスクも!
沖縄の強い日差し+室内外の温度差により、
網入りガラスは熱で“パキッ”とヒビが入ることがあります。
これを「熱割れ」と言い、実はこれが意外と多い故障原因なんです。
- 網が熱を吸収 → 局所的に熱がこもる → 膨張差でヒビ
- 特に遮光カーテン・家具が密着してると割れやすい
👷♂️建築士:「“風がなくても割れる窓”って、意外と知られてません」
🛠建築士的アドバイス|安全な窓を選ぶには?
✅ 飛来物対策に強いのは「合わせガラス(=防犯ガラス)」
→ 2枚のガラスの間に強靭な中間膜を挟んだ構造
→ 割れにくく、割れてもバラバラになりにくい
✅ 網入りは“防火地域”で必要なことも。用途を確認して使う
→ 火災延焼防止用としてならOK
→ 台風用として選ぶなら用途に注意
✅ 熱割れリスクを減らすには?
✔ 窓際に家具・遮光カーテンを密着させない
✔ ガラス面に直射日光が当たらない工夫(庇・ルーバー)
✍️まとめ
「網入りガラス=台風に強い」は、
残念ながら“思い込み”に近いかもしれません。
本当に大事なのは、
どんなリスクに備えたいのかを明確にすること。
☑ 飛来物が怖い → 合わせガラス+シャッター
☑ 延焼対策が必要 → 網入りガラス
☑ 熱や湿気が心配 → 窓配置や日射制御で調整
そのうえで、設計士と一緒に**“その家に合う窓”**を考えることが、
沖縄の台風住宅には欠かせない視点です。
📝次回予告
【台風と住宅】第9話「窓は“数”じゃない。どこにどう開けるかがすべて」
沖縄住宅で重要なのは“開口部の配置”。
見た目よりも大切な「風の道」と「暮らしの流れ」を解説します!