👨「台風に備えて、全部の窓にシャッターつけました!」
👷♂️建築士:「それ、素晴らしいんですが……実は注意点もあるんです」
沖縄の家づくりで、もはや“標準装備”といってもいい窓シャッター。
台風対策、防犯、遮熱、遮光…メリットだらけに見えますが、実は過信は禁物。
今回は、沖縄のリアルな現場で見えてきた
「シャッターの思わぬ落とし穴」を建築士目線で解説します。
✅まずは“シャッターが選ばれる理由”をおさらい
台風対策
→ 飛来物から窓ガラスを守る。特に南・西面では必須レベル。
防犯対策
→ 留守時に閉めておけば、侵入リスクを大幅に軽減。
遮熱・遮光効果
→ 西日が強い沖縄では「午後の室温上昇」を和らげてくれる救世主。
👵おばぁ:「うちは午後になると、シャッター全部閉めてるよ〜。暑くなる前にね!」
⚠️でも…「付けとけば安心」は危険かも?
【1】台風時に“絶対に閉めてはいけない”シャッターがある
強風下でシャッターを下ろすと、
巻き取り不良やレール外れを起こすことがあります。
最悪の場合、バキッと割れて風に巻き上げられることも。
👷♂️建築士:「“早めに閉めて、固定しておく”が鉄則。台風直前の開閉は危険です」
【2】“避難経路”を塞いでしまう問題
- 1階窓のすべてにシャッターをつけて閉めてしまうと…
- 停電 or 故障時に中から開けられない!
特に子ども部屋や寝室で、唯一の窓がシャッター付きだとリスクが高くなります。
👨👩👧👦「避難ハッチもないし、窓も開かない…」
これは建築士としてもプラン段階で見直すべき重要ポイントです。
【3】塩害でガタつく、動かない、音がうるさい
沖縄特有の“潮風”はシャッターにも容赦しません。
- シャッターBOX内に砂・塩分が詰まって重くなる
- 開閉時に**「ギギギギギ…」**と大きな異音
- サビで開閉不能 → 固定資産税の調査で“壊れてますよ”と指摘されることも
👵おばぁ:「うちは半年に一回、ホースで流してるよ〜。あれ放っとくと開かんさ〜」
【4】見落とされがちな“風の通り道”問題
窓にシャッターをつけると、風が通りにくくなることも。
通風重視の設計とバッティングすると、
「夏、シャッター閉めたら蒸し風呂みたいになった…」という声も。
👷♂️建築士:「シャッターは必要な窓だけに、適切な範囲で取り入れることが大切です」
🛠️建築士的アドバイス|“安心できる”シャッターの付き合い方
✔ 台風前日は早めに閉めておく(夜間では遅い)
✔ 換気用に“シャッターなし窓”を1〜2ヶ所設ける
✔ 電動シャッターは停電時の手動操作方法を確認しておく
✔ 年1回の洗浄+潤滑スプレーで劣化予防
✔ すべての窓にシャッター=安心ではない!
✍️まとめ
「シャッターつければ完璧!」
──それは半分正解で、半分は思い込み。
沖縄の住宅にとって、シャッターは“盾”にもなるけれど、
その使い方を間違えると、逆に命のリスクになることもあります。
大事なのは、“つけること”ではなく、“どう使うか”。
家族の安全と暮らしやすさ、どちらも守れるバランスを考えるのが、
うちなー建築士の仕事です。
📝次回予告
【台風と住宅】第8話「網入りガラスなら割れない?その神話、再点検」
安全と思われがちな“網入りガラス”にも実は弱点が!?
台風・飛来物・熱割れの真実をわかりやすく解説します。