〜観光客「なにあれ!?」から始まる、屋上の正体物語〜
🏝️旅の途中、ふと空を見上げたら
沖縄本島をドライブ中。
青い空、白い雲、そして──屋根の向こうに、何かが見えた。
👩「あれ……屋上に、なんか四角い箱が乗ってない?」
👨「ほんとだ。なんだろう、あれ。展望小屋?…まさか露天風呂!?サウナ?」
観光客の私たちは思わず車を止め、スマホで撮影。
──でも、見れば見るほど、謎は深まる。
そこへ、タイミングよく声をかけてきたのは、
涼しげなアロハシャツを着た、地元のおじさんだった。
👨🦳【出会い】「は?サウナ?バカ言うなよ〜!」
👨🦳「おぉお〜、観光の人か? それ、サウナじゃなくて水タンクよ〜」
👩「水タンク……!? なんで屋上に!?」
おじさんは笑いながら、「懐かしいね〜」とつぶやいた。
「昔はよ、断水が多かったから、屋上に貯水タンク置くのが当たり前だったさ〜。
それが“家のライフライン”だったわけよ〜」
💧【教えて!うちなーおじさん】屋上の箱の正体
沖縄では、水道の水圧が低い時代が長く、
停電も頻繁だったため──
家で水を“ためておく”文化が生まれた。
👨🦳「断水しても、トイレもシャワーもバッチリ。
停電したら、重力で水が落ちてくるわけさ〜」
👩「だから屋上に…!なるほど!」
👨「でも、風とかで飛ばないんですか?」
👨🦳「飛ぶ?飛ばんよ〜!ボルトでガッチリ固定してるから大丈夫。
それに今のタンクは“箱型”で、風にも強くなってる。昔は丸型だったけどね〜」
👩🦳【懐かしいうちなーおばさん】屋上のタンクは、家族の一部だった
そこへ、隣からひょっこり現れたのは、おばさん。
首にタオルをかけ、手には泡盛とゴーヤー(なぜか)。
👩🦳「あんたたち、あのタンクでかくれんぼしたことないでしょ〜」
👨🦳「昔は子どもが上まで登って、水風呂がわりにタンク使ってたさ〜。
親にバレたら叱られるのに、面白くてよ〜」
2人は、あの“屋上の箱”に詰まった思い出を、次々と語ってくれた。
🌈【エピローグ】見上げる空が、ちょっと変わる
「今は水道も良くなって、タンク置かない家も増えてるよ」
「でも、昔の家見ると“あぁ、この家は守られてるな〜”って思うさ〜」
別れ際、うちなーおじさんがそう言って笑った。
再び車に乗り、住宅街を走る。
さっきまで“謎の箱”だった屋上のボックスが、
今は沖縄の暮らしを支えた誇りのように見えてくる。
📌ちょっとお勉強コーナー
- 受水槽(じゅすいそう)とは?
→ 水をためておくタンク。屋上に置くことで停電時も水が使える - なんで沖縄だけ?
→ 本土より水道インフラの発展が遅れたこと、台風・断水リスクが高いことが理由 - 最近は?
→ 新築では設置しない家も増えてきたが、古い家や離島では今も現役!
🎙️次回予告|第2話:「あの箱、実は“進化”してるって知ってた?」
昔は丸型ドーム、今は無機質なボックス型へ──
沖縄住宅の屋上にある“タンク”は、時代と共にカタチを変えている!?
次回、「屋上ボックス進化論」お楽しみに!